【サガリバナ】
 海岸近くの林内に生える常緑小高木で、高さは4〜10mくらいになる。7〜8月枝先から長い花軸を垂らし、丸い蕾を総状に付ける。夜になると上の方から白い花を咲かせ、芳香を放つ。朝方花は散り始める。奄美大島が北限。
 一夜花の代表格ゲッカビジン(月下美人)同様強い香りがあるのは、素早く昆虫をおびき寄せ、受粉を終える必要があるからだろう。初めてサガリバナを見たのは7〜8年前の早朝で、咲き残った花に多数の昆虫が群がっていた。今年は8月始め、住用町役勝川下流の橋のたもとで、夜の9時頃至近距離から見ることができた。ヤコウカ(夜香花)のそれに似たよい香りを直接浴びた。行きやすい場所ではあったが、夜行性の毒蛇ハブがいないともかぎらないので、念のため足元には注意を払った。
筆者:別府厚生
  1938年東京生まれ。少年時代と1974年以降、奄美大島在住。
  趣味は写真撮影、ヴィデオ撮影、釣り、囲碁等。