バラ科に属するシャリンバイは奄美ではテーチギと呼ばれ、
4月ごろ白い可憐な花を密に咲かせる。大島紬の染色には
なくてはならない木で、幹を細かく砕いたチップの煮沸液
で原料の絹糸を何回も染めるわけである。
庭木としてもよく植えられているが、染色用には山中に自
生する大き目の樹木が利用されるようである。
7,8年前の1月、オーストラリアのシドニーに旅行したと
き、オペラハウスの敷地でシャリンバイが咲いているのを
偶然見つけて感動したことを想い出す。シドニーの1月は
真夏のはずだが、緯度が高いので奄美の晩春くらいの陽気
だったような気がする。